ブリーダー・繁殖について考える!

最近では、普通にミックス(1代雑種)がペットショップで売られているようになりました。心無い繁殖屋・増殖屋が意図的に他犬種同士を交配して産まれた仔犬に適当にミックス名をつけ売られています。とても悲しく、遺憾な思いでいっぱいです。そう言う方々はブリーディングという大切な役割をどう考え、思っているのでしょう。

産まれる仔犬に弊害が起き、飼い主と仔犬が辛い思いをする事など、お構いなしなのだろう。
普段目にする犬たちにも、犬種から、随分かけ離れている子、見るからにミックスじゃない?と思ってしまうような子を見かけることがあります。また、犬種らしいが・・・? 健全じゃない犬も多く目にします。

ブリーダという役割を勘違い、履き違えている方が多くいると思います。

極端に言えば、何も考えず、ただ仔犬を売る目的、商品として製造、造る「職業」だと思われている方、そう思ってやっている方が、多い気がします。

また、「私はブリーダーです」と名乗っている人たちの中には、近親交配と、ライン・ブリードを勘違いして繁殖している方や、先住犬がどんな子かチェックもせず、おまけに身体的にも、精神的にも少々問題があるのでは?というような子を、血縁関係が無いので、繁殖に使うとか、使えますよ、と平気で売る方、また、疾患の原因にもなりえるミスカラーを珍色だとか珍しいからと言って堂々と高い値段で売ったりする方もいるようです。カラーブリーディングに関しても、組合せや、因子の知識もなく繁殖したり、プードルの様な退色系のカラーの識別も出来ない方がいるのです。
ショータイプ、ペットタイプを分ける時、何を基準にしているのか良く解らないこともあります。チャンピオンの仔なのでショータイプ、だから値段が高いんですよ、と生まれる前から子犬の良し悪しが決まっていたりすると、本当に解っているのか解らないのかとても微妙だと思ってしまいます。

そんな仔犬を作出する人たち、いわゆる増殖、繁殖屋を無くしていくこと。その為にはまず、あなた自身が変わること。

その犬種が好き、一生愛し続けるという飼主になって欲しいです。まずは犬についてたくさん勉強して下さい。自分が欲しい犬はどんなか、流行や周囲の人の言いなりになるのではなく、自分の生活環境や家族構成を考慮した上で、自分に合いそうな犬種を選択し、なぜその仔(その犬種)が欲しいかよく考え話し合い、決めて欲しいのです。

同じ犬種同士だからと安易な軽い気持ちでペットちゃん同士を交配させたりしない、正しい知識、考えをもった飼主(購入者)が増えることにより、間違いの無い仔犬を迎えることが出来るはずです。血統書を見てから、仔犬を買ってから、何も知らなかったことにビックリしたり落ち込んだりしても遅いのです。ペットショップで衝動買いしたり、押し付けられたりしないよう、買う側の知識をちょっと高める事で、心無い繁殖屋が減り、不幸な犬達が減るはずだと思います。

飼い主が幸せでなければ、犬も幸せではありません。犬が辛ければ、飼い主も辛くなります。
癒されたい気持ちで犬を家族に迎えたはずなのに、ちょっとした事が原因で、犬のいる生活が苦痛になってしまう事のない様に、家族と愛犬の幸せの為にも10数年以上にわたり一緒に暮らすパートナーですから信頼の出来る繁殖家を探し、ライフスタイルに合った納得のいく犬を迎える事をおススメします。

繁殖には、ちゃんとした理由があるはずです。遠い先祖、狼の時代には、その群の一番優秀なメスだけが一番優秀なオスの子犬を生むことが出来ました。これは、全く自然にその群の中で一番優秀な血統を残すことになり、厳しい自然界で種を残し、生き残ることに繋がってきました。現在は犬種の保護、発展のために、人間の手で行っているというだけで、根本はやはり犬達がその犬種らしさを失わず、健全な犬を作出するということに限ります。犬だって、「命」や「感情」のある生き物です。決して「物」ではありません。命を生み出した事に責任を持ち、不幸な犬達を減らしてほしいものです。

 

私共は、ペットショップなどで赤ちゃんの危険で大事な成長期に仔犬を店頭に展示することや、仔犬がセール品となって安売りされていることが信じられません。そういうペッショップ、繁殖屋がなくなることを願います。